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種子法関連その2

www.excite.co.jp

 

「前略」
◆4月に種子法が廃止。その後は……?

「このままでは、日本の農産物の多様な品種が店先から消える」

 こう警鐘を鳴らすのは、元農林水産大臣山田正彦さん。山田さんは昨年から種子法廃止の動きに対して「日本の種子を守る会」を結成、廃止の影響を各地で説いてきた。

 しかし、今年4月に種子法は廃止。その結果、「これまで米、大豆、麦類の品種を、各都道府県が責任を持って種子を開発・増殖してきました。それが今後は義務ではなくなるのです。つまり、種子を守るための予算がつかなくなる」というのだ。

「一つの品種が開発されるまでには10年、増殖には4年かかる。各地域の銘柄米を手ごろな値段で口にできたのは、膨大な歳月と労力をかけ、その予算を税金で賄ってきたからです」(山田さん)

 山田さんはさらに「日本の多様な品種を大企業の寡占から守っていかなければならない」と危機感を強める。日本ではすでに「みつひかり」(三井化学)、「つくばSD」(住友化学)、「とねのめぐみ」(日本モンサント)などの籾米が流通。主に多収量の業務用米として用いられている。

「農業競争力の強化が国の方針。生産規模の小さい銘柄は集約されるので、国内の品種はいずれこういった大企業の品種に置き換わっていく。従来の品種を作り続けたいと思っても、各都道府県が生産をやめれば種子が手に入らない。やがて外国の多国籍企業の種子を一般農家は買わざるをえなくなっていく」(山田さん)



◆種子法復活の動きも

 しかも、種子ビジネスを行う企業としては、莫大な開発費を回収する必要がある。そのため、「F1種」という一世代に限って作物ができる品種を販売する。自家採取できないので、農家は毎年企業から種を買わなければならない。

「種子ビジネスに乗り出してきているのは化学企業が中心。農薬と化学肥料もセットで売り、契約によって作り方も指定されます」(同)

 そうなると価格は企業が決めることになる。現在、民間の種子の値段は、公共の品種の種子の4~10倍。種子法によって守られてきた公共の品種がなくなれば、農産物の値段が上がることは必至だ。これに対して、国会でも種子法廃止に抵抗する動きが出ている。5月19日に野党6会派が提出した種子法復活法案は6月7日、衆議院農林水産委員会で審議され継続審議となった。

「中略」

「米の民間品種のシェアは、まだ0.3%にすぎない。移行の体制も整っていないのに、大阪府奈良県和歌山県は今年度から種子の維持についての認証制度を取りやめてしまいました。弊害が明らかになる前に何とかしなければ」と後藤議員は法案の復活に意欲を見せている。

◆条例を作り県レベルで対抗

 一方、県レベルで対抗しようという動きも出てきた。新潟県兵庫県、埼玉県は条例を制定し、県の公的機関が種子法廃止前と同じように種子の生産・供給が可能な体制を続けられるようにしたのだ。新潟県長岡市内にある農業総合研究所作物研究センターの担当者はこう語る。

「こちらで作っている種子は、コシヒカリ新之助など『推奨品種』14品種、それに準じる新潟次郎など『種子対策品目』9品目です。国の種子法がなくなって県条例となったので事務的手続きなどの変更はありますが、種子を生産・供給する基本的な業務自体に変わりはありません。これまで通りの多種多様な品種の生産・供給ができる体制は維持されました」

 これら3県の条例制定は、日本の農業を守る貴重な取り組みとして全国に広がる可能性がありそうだ。

「種子法廃止の背景にあるのはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)です。日本の多様な品種を守ってきた種子法は、TPPにおいては自由な競争を阻害する『非関税障壁』とみなされてしまうのです」と山田さんは解説する。そのうえ、「TPPでは『遺伝子組み換え食品の輸入も促進する』となっている」というのだ。

 弁護士でもある山田さんは現在、種子法に焦点を絞りTPP交渉の差し止め・違憲訴訟の提訴を準備中。すでに原告は700人を数え、今年8月には提訴の予定だという。

◆今のうちに、自家採取可能な種子を保存

 種子の輸入が途絶えれば「日本ではほとんど野菜が作れないのが現状です」と印鑰智哉さん(「日本の種子を守る会」事務局アドバイザー)は危惧する。農水省は「知的財産権の保護」という点から、これまで原則OKだった自家採種を原則禁止に転換する方針だ。つまり、そうした種子を自家採種したり共有したりすれば、犯罪となり重い罰則が科せられる(家庭菜園は除く)。

「種が落ちて芽が出て、実がなるというのが自然界です。自家採種禁止なんて常識では考えられない」と首を傾げるのは、長野県安曇野市で自然農の菜園を持つゲストハウスを経営する臼井健二さん。大企業の種に頼らない農業を行うため、’12年に在来種の種を保全するシードバンク「種センター」を開設した。

「大企業の品種が席巻して多様な品種が滅ぼされる前に、自家採取可能な品種を保存しておかなければ」と臼井さんは語る。現在、200種以上の在来種の種子が保存されている。

「企業の種子の知的所有権を守るのであれば、伝統的な在来品種も守る法制度も必要だ」と、印鑰さんは強調する。「お米に関しても、まだ公共品種が99%を占めている今ならば、まだ十分に守ることができます」

 一度失われた種子は、二度と戻ってはこない。これは、日本人の食にとって大きな転換点といえるのではないだろうか。

<取材・文・撮影/宗像充 横田一
― いよいよ[日本の種]がヤバい! ―

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日本は安心しきっているかもしれないがモンサント、下手するとダウ、デュポン、シンジェンタ、ダークホースなどが日本を襲ってくるかもしれんぞ!そしてノー天気なお馬鹿記者もいる!!↓

 

種子法廃止に反対している人たちが、誤解しているかもしれないこと(ドクターZ) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)

奨励品種はなくらならい
今年4月に廃止された種子法(主要農作物種子法)が、'19年の参院選に影響するのではないかと、にわかに話題になっている。

種子法は1952年、戦後の食糧の安定供給を図るために制定された8条からなる比較的短い法律だ。米・麦・大豆の3種類を対象に、奨励品種の選定や原種の生産に都道府県が責任を持つことが定められた法律である。

これが廃止されると、海外から遺伝子組み換えの種子が流入し、海外に日本の食が乗っ取られるとして、一部の農家からは強い批判がある。ひいては与党支持にも影響が出るのではとされているのだが、政府としては種子法が「役割を終えた」ものとして廃止を決めたわけで、今後はどうなっていくのか。

種子法廃止に反対しているのは、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に猛反対していた層とほぼ一致するが、農協などの農業関係者のなかでは冷静な見方をする向きも多い。

まず、彼らが懸念する遺伝子組み換えの種子については、厚労省管轄の食品衛生法の問題で、同法による安全性審査で規制されている。なお種子法が廃止されても、食品衛生法の規制は変わりない。「中略」

種子法の「奨励品種」とは、たとえば「あきたこまち」のような都道府県でブランド化された作物になるが、たしかに地方としてはこの指定がなくなれば困るかもしれない。だが、じつは種子法廃止とともに、各地方自治体では、種子法と同様な条例や要綱を作った。これで、各地方自治体において奨励品種がなくなることは避けられたのだ。

種子法では、国が地方自治体に奨励品種の義務を課していたが、これからは地方自治体が独自に行うとしている。要するに、奨励品種は、国(中央政府)の仕事から地方自治体(地方政府)の仕事に変わっただけであり、やる主体が政府であることは変わりない。

昔よりも作物の生産量に差が広がった大都市と農業県では、農業への取り組み方が違うのは当たり前のことだ。国主体では、たとえば米の減反など、非効率的な政策しか取ることができないため、むしろ農業従事者のためには種子法廃止のメリットは大きいはずだ。

では、なぜ一部の人が反対するのか。しかも、種子法の廃止だけを強調し、同じ内容の各地方自治体の条例が同時に制定されていることを言わないのは、あまりにバランスを欠いている。

その理由としては、やはり一部でTPP反対論を引きずっている人がいるからだろう。

このときも日本の農業は外資に乗っ取られるとしてきたが、アメリカが抜けたことで枠組みは大きく変わり、反対論者の説得力は失われた。そのタイミングで種子法廃止が俎上に載り、TPPのときとまったく同じ絵を描いたのだ。

だが、これまで述べてきたように、日本の農業を守る枠組みはきちんと維持される。事が事だけに早とちりしている人も多いかもしれないが、正しく事情を理解しておけばその間違いに気づくはずだ。

週刊現代』2018年9月8日号より