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【日本のメディアが報道しないこと】福島原発の凍土壁は大金をかけたギャンブルだ。

2016年9月4日

【日本のメディアが報道しないこと】福島原発の凍土壁は大金をかけたギャンブルだ。


 2011年3月の東日本大震災で壊滅的な事故を起こした福島第一原発では、地下水が流れ込んで汚染水が止めどもなく増え続けている。この問題を解決するためのに採用された手段が凍土壁であり、深さ30メートル、長さは約1.6kmにも及ぶ。

 凍土壁の建設には約350億円の費用と2年の歳月を要しており、広大な福島原発エリアを長方形で囲うことで、地下水の流入を防ぐ目論見だ。放射性物質で汚染された水が太平洋へ流れ出るのを防ぐ目的がある。



写真(福島第一原発における凍土壁のイメージ図) 出典:ニューヨークタイムズ


 費用がかさむ上に、凍結しない場所があり、現状は機能しているとはいいがたい。さらに、凍結には大電力が必要であり、原発と同じように自然災害に対して脆弱なのだ。

 福島第一原発は、丘を切り開いて海岸のすぐそばに建設されたため、地下水の影響を受けやすい状態にある。2011年3月までは地下水の流入を何とか防いでいた。しかし、地震津波メルトダウンなどにより原発建屋の地下部に亀裂が入り、地下水の流入により汚染水は日々増加している。

 地下水の流入が止まらないため、溶融した燃料の状態や場所が特定できず、廃炉作業も夢のまた夢だ。原発事故以来、5台の探索ロボットが送り込まれたが、高レベル放射線で機器が故障し、がれきにも阻まれ、帰ってくることすらできなかった。

 流入し汚染された地下水はすぐに汲み上げないと太平洋にあふれ出てしまう。汲み上げた地下水は、地上に設置された1000個以上の巨大タンクに保管されており、その量は2016年8月現在で80万トン以上になっている。正に悪夢だ。



写真(増え続ける放射性汚染水を貯蓄するタンク) 出典:ニューヨークタイムズ



 原発事故以降に急ごしらえで建設した貯水タンクは脆弱で、汚染水漏れが発生している。そのため、より耐久性の高いタンクに置き換えるべく、建設作業が急ピッチで行われている。

 増加する汚染水という悪夢から逃れるための手段が凍土壁であり、それは世界最大の冷却装置でもある。長さ30メートルの配管が地下に埋め込まれ、それが1メートル間隔で1568本並び、各パイプ内の液体をマイナス30℃にすることでパイプ周囲の土壌を凍結するのだ。建設を受け持っている鹿島建設によると、凍結には約2か月を要するという。凍土壁という技術は珍しくないが、これだけの規模は前代未聞であり、しかも原発で使われた事例は無い。

 福島第一原発に凍土壁の技術を適用することに関しては批判が多い。地下を通るトンネルのために凍土壁に穴が開いた状態になる可能性がある。実績のあるコンクリートや鉄製の壁の方がいいのでは、という声もある。

(中略)

 東京電力は、凍土壁のおかげで海洋への放射性物質流出が食い止められたと言っているが、疑念の声は絶えない。汚染水は地下の岩盤に浸透し海へ漏れ出すからだ。唯一の確実な方法は、原子力建屋を元通りに修復することだ。

 仮に凍土壁が上手く機能したとしても、大量の汚染水を処理するという大仕事を東京電力はしなければならない。放射性物質用のフィルタを通しても、トリチウムだけは除去できないのだ。薄めて海へ放出するという考えはとんでもないことであり、海外からの批判も強い。

 現場作業員は、防護服・マスク・ゴーグルが必需品であり、大変な肉体労働を強いられている。原発事故という悪夢との闘いは始まったばかりであり、先が見えない状態だ。

参考リンク:ニューヨークタイムズ記事
「Japan’s $320 Million Gamble at Fukushima: An Underground Ice Wall」

以上

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ニューヨークタイムズはいいこと言うね、原発事故使って安倍政権批判。