反左翼は流行だが、共謀罪はテロ対策ではない
「反左翼」は流行だが、いまだに共謀罪がテロ対策だと思い込んでる馬鹿がいるのが大問題だ。
カメラマンの宮嶋茂樹もその一人だ。
政府が今まで何度も廃案になった共謀罪に「テロ等」と付け加えただけで、コロッと騙される。
政府がテロ対策と言えば、自称保守(反左翼)は素朴に信じ込んでいるのだから呆れる。
「お上の言うことはまちげえねえだ」とでも思っているのだろう。
共謀罪は共謀罪であって、既遂の犯人だけでなく、未遂の未だ犯人とならざる者まで裁く法律である。
政府は共謀罪を「TOC条約への加入の条件だから」としてきたが、嘘だと判明した。
やっぱり政府(権力)は、嘘をついて国民を騙すのだ。
なぜ、こんな簡単なことが分からないのだろう?
わしが国会の参考人招致でも指摘したが、テロ対策なら、なぜ空港の入国審査を強化しないのか?
ハワイに行ったとき、とんでもなく入国が厳しくなっているのに、嫌気がさした。
だがそれがテロ対策である。
政府が「一般市民は対象にならない」と説明したら、なぜ素朴に信じられる?
共謀罪が成立したら、運用するのは警察なのだ。
「所轄は足で捜査しろ」という言葉がわしはカッコいいと思っていたが、今後は「所轄はメールを盗み見ろ」という捜査になっていく。カッコ悪い。
治安維持法を例に出して、「警察が暴走する」と批判するのは決して時代錯誤ではない。
戦前の日本人も、戦後の日本人も大して変わっていない。
それとも戦後の日本人は、戦前の日本人より進化した、賢くなったと思っているのか?
馬鹿も休み休み言え。
共謀罪をテロ対策だと思い込む馬鹿がいるくらい、今の日本人は馬鹿ではないか!
共謀罪という便利な法律が成立すれば、恣意的に解釈して、恣意的に運用する危険性がある。
軍隊と警察は、国家に必要な暴力装置だが、あくまでも国民が自分の身を委ねてしまっていい装置ではない。
軍隊や警察には、警戒しつつ、敬意を払うという態度が必要であって、警戒だけする左翼も、敬意だけ払う自称保守(反左翼)も、大人の態度ではない。
つまり「保守」の態度でないのだ。
わしはあくまでも「保守」として共謀罪に反対している。
それは、参考人招致で述べたように、日本の国柄を守るためである!
維新の会は権力に媚びるバカである
最近の「報道ステーション」は「共謀罪」に力を入れてて、大変良い。
ジャーナリズムの責任を果たしている。
維新の会が提案する「取り調べの可視化」を「付則」で入れても、意味がないことがよく分かった。
「任意同行」で取り調べられるときに自白に追い込まれたら、その後、逮捕されて「可視化」された中で自白を裏付ける証言をさせられるだけ。
しかも「付則」で入れた文言なんか、守られるかどうかも、怪しいということらしい。
一般国民は警察をなめている。
「一般人は関係ない」という政府の嘘に騙されてはいけない。
「一般人」とは何か?
権力に逆らわない者のことだ。
権力は永遠に自民党が維持するのではない。
民進党にも、共産党にも、代わるかもしれない。
自民党の中で、政権交代が起こり、異常なまでの親中派の権力が生まれるかもしれない。
その権力に抵抗したら、「一般人」じゃなくなって、「共謀罪」で監視され、捕まるかもしれない。
そのくらいの想像力もないのだろうか?
「維新の会」は安倍政権に擦り寄りたいのだろうが、明確に間違いを犯した。
自民党と同様に、やはり「保守」ではない。
「共謀罪」が成立したら、日本の言論空間、民主主義は、「内心の自由」を失うのだから、いきなり北朝鮮や中国ほどではなくても、韓国やロシア並みには狭まる方向に進むだろう。
TOC条約はテロ対策の条約ではない。
共謀罪もテロ対策ではない。
ただ、刑法の常識をひっくり返して、犯罪を計画しただけで、監視され、準備したら逮捕され、裁かれるだけ。
実行に至らなかったかもしれない犯罪も、裁かれるだけ。
権力を強化しすぎると、暴力装置が国民に向いてくる危険を高めるだけである。
「自由は要らない、安全ならば」と安易に思い込んでいると、その安全は権力によって粉砕されるだろう。
TOC条約は、対テロ目的ではない!
今朝の朝日新聞が報じているが、TOC条約の「立法ガイド」を執筆したパッサス教授が「TOC条約は対テロ目的ではない」ということを明言している。
「テロの資金源規制は、法的拘束力を持つ国連憲章第7章に基づく国連安保理の決議などがある」と言っている。
「既存法で加盟の条件を満たすのであれば、新法の必要はない」と断言している。
なんのことはない。
やっぱりTOC条約はテロ対策の国際条約ではない。
政府が成立させたがっている「共謀罪」も、実はテロ対策になっていないのだ。
わしは法務委員会で、テロ対策と言うなら、外国から侵入するテロリストを阻止せよと訴えた。
そして共謀というが、一人で行うテロには、共謀罪は無意味である。
今まで政府は、「TOC条約に参加するため」とか「オリンピックのため」とか言ってきたが、全部嘘なのだ。
目的は一つ、「監視社会をつくるため」である。
具体的には、「権力に抵抗する者を監視するため」「国民を監視するため」「内心の自由を奪うため」でしかない。
一方、産経新聞では、権力の犬となり下がった櫻井よしこが共謀罪・大賛成の意見表明をしている。
共謀罪は、「TOC条約批准のために必要不可欠な担保法である」などと大嘘から始まる文章だ。
これがジャーナリストか?
櫻井は「現状では、テロリストが水源に毒を入れ終えなければ逮捕できない。それでは手遅れだ」などと具体例を出している。
政府の言うがままのオウム返しと化した偽ジャーナリストだ。
刑法学教授の高山佳奈子氏は「日本には共謀共同正犯の理論があり、現在ある(犯行前の段階の行為を処罰する)予備罪などと組み合わせることで、条約が求める既遂・未遂の前の段階の処罰に対応することは可能だ。条約締結のため新たな法律が必要という政府の説明には理由がない」と述べている。
政府の詭弁も、偽ジャーナリストのオウム返しも、高山氏の意見にまったく反論できない。
TOC条約は今のままの国内法を基本にして、批准できるのである!