閉会中審査で「岩盤規制」を丁寧に説明する手もあった
疑惑まみれの安倍首相がどんどん追い詰められている。“腹心の友”が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画についての閉会中審査では、政権ぐるみの「えこひいき、ウソ、隠蔽」が一層鮮明になった。攻勢を強める野党は幕引きを急ぐアベ自民をどう追い込むのか。民進党の「加計学園疑惑調査チーム」の共同座長を務め、閉会中審査でも存在感を示した民進党参議院議員の桜井充氏に聞いた。
――安倍首相は「丁寧な上にも丁寧に説明を続けたい」と言って閉会中審査に臨みましたが、相対してみてどうでしたか。
低姿勢で言葉遣いも丁寧になりました。「ヤジをやめてください」「私が答弁しようとするとこうやってヤジで妨害するんです」などという時間稼ぎもしなくなった。しかし、答弁の中身は何ら変わっていません。
――安倍首相は国会答弁を修正しました。国家戦略特区を活用し、愛媛県今治市の獣医学部新設計画の事業主体が加計学園だと知ったのは、加計が認定された今年1月20日だったと強弁し、関与を全面否定しています。「中略」 ――与野党がガチンコ対決した地元の仙台市長選では、昨年の参院選で形になった野党共闘を再現して自公候補を破りました。全国でうまくやれないものでしょうか。
仙台市の政党支持率は自民25%に対して、民進は18%。それでも約1万6000票差で野党系候補が勝った。地道な活動を積み重ね、地域の信頼を得ていたからです。全国でも地道な活動を徹底していく。議員の数を増やすには、それ以上のことはないのだと思います。
――蓮舫代表が辞任し、民進党の体制は一新されます。新執行部には何を求めますか?
トップに立つ人は玉虫色の話をしないで、もっとエッジをきかせる必要がある。同時に、しっかりと根回しをすれば、党内はまとめられるはずです。とにかく汗をかいていただきたいと思います。
(聞き手=本紙・生田修平)
▽さくらい・みつる 1956年、宮城県仙台市出身。医師。98年に参院宮城選挙区で初当選、現在4期目。財務副大臣、厚労副大臣、民主党政調会長を歴任。