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自衛隊が去った後の南スーダン

自衛隊が去った後の南スーダンを知ってるか?俺はある程度知ってたが

toyokeizai.net

さまざまな社会問題と向き合うNPONGOなど、公益事業者の現場に焦点を当てた専門メディア「GARDEN」と「東洋経済オンライン」がコラボ。日々のニュースに埋もれてしまいがちな国内外の多様な問題を掘り起こし、草の根的に支援策を実行し続ける公益事業者たちの活動から、社会を前進させるアイデアを探っていく。

GARDEN Journalismでも何度も活動を取り上げ、共にシンポジウムも開催してきた国際協力NGO日本国際ボランティアセンター(JVC)。一番最初に取り上げた活動現場が、JVCが人道支援を続けてきた南スーダンでした

JVC人道支援/平和構築グループマネージャーを務める今井高樹さんは、スーダン南スーダンで10年以上支援活動実績が。2016年に「戦闘か? 衝突か?」と日本で多く報道された際にも、日本のNGOとしては唯一現地に入り支援活動を行いました。

「中略」

この報告会を前に、帰国した今井さんにJ-WAVE「JAM THE WORLD」で堀潤がインタビューしました。

10年以上現地で南スーダンを見続けたNGO職員

本記事はGARDEN Journalism(運営会社:株式会社GARDEN)の提供記事です

:昨年2月に発覚した自衛隊の日報問題。5月にアフリカ・南スーダンPKOから自衛隊が撤退し、7月には当時の稲田朋美防衛大臣をはじめ、当時の防衛事務次官陸上幕僚長が辞任。ここから一気に南スーダンの情勢に関する報道は下火になりました。しかし、自衛隊が徹底した後も内戦による緊張状態と難民の問題は解決されていません。果たして今の南スーダンはどのような様子なのか。現地で継続して支援活動を続けている日本のNGO、日本国際ボランティアセンター(JVC)で南スーダン事業を担当されている人道支援・平和構築グループマネージャーの今井高樹さんにお話を伺います。今井さん、よろしくお願いします。

「中略」

:今井さんにはこれまでも、現地の内戦が深刻化して緊張が高まる最中にお話を伺ってきました。自衛隊派遣に伴い、南スーダンの内戦が日本国内でも政治課題として論じられるようになった際、「衝突か、戦闘か、といった言葉遊びはやめてほしい、現場の実態を知ってほしい」とお話をされていました。私も記事にしたり、今井さんと一緒にシンポジウムを開いたりするなどして南スーダンでの緊張状態を伝えてきました。あらためて現状について伺います。

今井高樹さん

「中略」

今井:2007年に南スーダン(当時は独立前だったため、スーダン南部自治領)のジュバに着任して以降、10年以上現地に駐在してきました。2017年から東京に戻って、必要な時に現地に行くという形になっています。

:つい最近も現地に滞在されていましたよね。

今井:はい。2017年11月から12月にかけて現地に行っておりました。

「中略」

今井:2016年に「戦闘か? 衝突か?」と問題になった大きな戦闘が行われた後は、2016年9月から現地で活動を行っていました。5回ほど短期で現地に出張し、首都であるジュバ近郊の地域で食糧支援を始め、マラリア対策として必要な「かや」、調理用食器、鍋、石鹸などの生活用品、医薬品の支援を行っています。直近では、子どもたちが学校に行けるよう学用品、ノートや鉛筆の支援を行いました。

「いつ自分が殺されるかわからない」

:現地では、いわゆる内戦状態が続いているんですよね。

今井:2013年の12月からずっと内戦が続いています。一旦2015年に和平合意になったのですが、2016年に再び内戦状態になっています。ただ、最近、2017年12月に停戦合意のようなものが結ばれ、クリスマスから新年にかけては比較的静かな年越しを迎えたようです。

:内戦が激化していた頃は住民に対する虐殺とも言える行為が行われていましたよね。

今井:私が直接聞いた避難民の話があります。その方はジュバから100キロ程離れた村から避難してきた方なのですが、村の中では子どもたちがまるで鶏を殺すようにどんどん殺されていたという話でした。武装した政府軍や民兵、反政府勢力、武装勢力などが村々を襲撃し、子どもやお年寄りを無差別に殺害し、家には火をつけ、女性はレイプし殺害するという行為が行われていました。

「中略」

自衛隊派遣は「PKO参加5原則」を満たしていたのか

自衛隊派遣の大前提は、停戦状態にあるとか秩序が保たれているなど、PKO派遣のための5つの原則を満たしていることでしたよね。後に明らかになったのは銃弾が飛んでくるような状況もあったと。そうしたことを記している日報の存在の有無や公文書として扱うか否かが大きな問題になったわけですが、現地への派遣は適切だったのかなど、今井さんはどのように考えていますか?

PKO参加5原則
1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること
2)国連平和維持隊が活動する地域の属する国及び紛争当事者が当該国連平和維持隊の活動及び当該平和維持隊への我が国の参加に同意していること
3)当該国連平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること
4)上記の原則のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は撤収することができること
5)武器の使用は、要員の生命等の防護のための必要最小限のものを基本。受入れ同意が安定的に維持されていることが確認されている場合、いわゆる安全確保業務及びいわゆる駆け付け警護の実施に当たり、自己保存型及び武器等防護を超える武器使用が可能

今井:2013年以降は国が内戦状態になって、現に首都ジュバでも大きな戦闘が2回、2013年12月と2017年に起きていますので、とてもPKOの5原則を満たしている状況ではなかったと思います。現に、「衝突か、戦闘か」と問題になった時ですが、今私たちが活動している避難民キャンプというのは自衛隊の宿営地のあった場所から1キロ程のすぐ側なんです。避難民キャンプの住民の方々に話を聞くと、その時にはそのキャンプ周辺、一帯ではものすごい銃撃というか砲撃が繰り広げられて。その方たちも避難民キャンプを離れて逃げていって、戻ってきたら略奪されていたと言います。そういった状況だったので、ジュバの中というのはとても平穏とは言えない戦闘状態だったと言えますね。

:それだけに、そうした現地の情報がしっかり入手されて、国民にも知らされるべきだったということでしょうか。

今井:そうですね。南スーダンは2013年以降、私どものような人道支援団体も含めて、研究を続けているような学者の方も入りづらいんですよ。日本政府が渡航規制をかけて、なるべく入れないようにしていて、こうした生の情報が限られているんですね。ジャーナリストの方も報道各社も自粛していたということもありました。その背景には何らかの政府からの圧力があったのかなど、そうしたことは私はわかりませんが、現地からの正しい情報が日本の皆さんに届いていない状況にはなっていましたね。

「軍隊」ではなく「文民」ができる支援の形

:子どもたちの教育環境や居住環境もそうですし、具体的にはどのようなサポートが今必要なのでしょうか。

今井南スーダン全体で言えば、食糧の問題があり、国連や赤十字、国際NGOも活動をしています。その他、医療もそうですし、例えばテントのような住居など、さまざまなものが必要です。そうした中、子どもたちの教育支援が後回しになってしまいます。どうしても食べる方が先に来るので、私たちはジュバで活動する中で、最初は食料支援から始めたのですが、今は子どもの教育に軸を移し避難民キャンプの子どもたちの学用品の支援を始めています。ノートやペンを買わないと学校に行っても勉強ができない、もしくはそうしたものを持っていないから学校に行きたくない、そういう子が多いので学用品の支援を行っています。

自衛隊の撤退以降は現地の状況に関する報道も下火になっていきましたよね。支援活動を続ける一人としてはどんな思いでその状況を見ていますか?

2018年1月17日(水)19時~20時30分に東京・上野で「JVC 南スーダン現地出張報告会」を開催します(参加費500円、JVC会員は300円)

今井:残念でもあり、ある意味日本の報道のあり方が恥ずかしいというのはありますよね。国際ニュースでは南スーダンの現状がもっと伝えられていますから。国連も言っていますが、今の国際情勢の中ではシリア・イエメンと並んで最も深刻な人道危機と言われており、報道もされています。日本の国内を見ると、南スーダンの報道がなくなってしまう。もともと日本の報道は南スーダンの状況を伝えるということよりも、稲田防衛大臣の動向や国会の論戦が中心だった訳ですので、内向きなところで国民の視線も作られてしまったと思います。現地目線で状況を知ってほしいという思いもありますし、報道も続けてほしいと思いますよね。

:アフリカ地域といえば中国の影響が色濃く現れているなど日本の外交にとっても重要な現場だと思うのですが、日本政府は南スーダンの問題には今後どのように関わるべきだと思いますか?

今井:日本は自衛隊のような「軍隊」ではなくて、「文民」と言いますが、軍人ではないさまざまな専門家、法律や人権、教育の専門家を送ってこの国が安定するようなことに貢献してほしいですよね。日本政府は今まで日本人を入れないようにする方向でしたが、これからはそうした平和づくりをする人々の派遣をするべきだと思います。

:確かに、「PKO自衛隊派遣」という印象が強いですが、本来のPKO活動の中にはさまざまな多岐にわたる活動がある訳ですから今井さんのいう文民の派遣は一つの有り様ですよね。引き続き現地の状況など教えてください。ありがとうございました。

 

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