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エンゲル係数関連記事

www.j-cast.com

   国会でエンゲル係数をめぐる議論が行われた直後、ウィキペディア(日本語版)の「エンゲル係数」の内容が、あるユーザーによって書き換えられたことが注目を集めている。

   編集後の文章が政府側の主張を擁護するような内容だったため、批判派は「政権の主張によって事典の内容まで書き換えられるのか」などと紛糾、中には政府による「工作」「陰謀」を唱える人も。2018年2月2日午後の時点で、件の項目は編集できない状態となっている。「中略」

「安倍官邸が、wikipediaを書き換えてるようだ」

「中略」

   ネット上のフリー百科事典であるウィキペディアは、そのルール・方針に従う限りはユーザーが自由に編集できる。ところがこのユーザーによる編集は、「値が高いほど生活水準は低い」とする「概要」の項を全面的に改稿、エンゲル係数の重要性を否定する内容に書き換えるものだった。

   このことに気付いた別のユーザーがツイッターで指摘したことで、一気に話題が拡散した。直前には、安倍首相がエンゲル係数の上昇は「食への消費が拡大し景気回復したということ」だと答弁したという不正確な要約がツイッター上で広まっていたことも(上述の通り、そうした趣旨の直接的な発言はない)、批判の燃え上がりに拍車をかけた。ジャーナリストの岩上安身さんがツイッターで、

「ウィキすらが即座に歪められる怖さ。ネット市民は、随所で知的防衛戦線を張り続けないと、無知と詭弁と卑劣とデマの連合軍に押し切られる」

と発言したのをはじめ、

「総理の発言に合わせて、Wikipediaエンゲル係数が早速書き替えられたとか。アホに合わせて書き換えてたら、この国おかしくなるよ」
「王様が黒いものを白いと言えば愚民が『そう!白いですね!』という中世ジャップランドしぐさ」

などといった書き込みが続出、それどころか中には、

「国民をだますため、ウィキペディアまで書き換えた?」
「安倍官邸が、wikipediaを書き換えてるようだ」
「ただのバカにはできない、高度な雇われチームの暗躍はまず確実だな!」

など、「官邸の陰謀」説を唱える人まで出始めた。

わずか4時間後には差し戻されている

   もっとも、ウィキペディアの「編集履歴」を見ると、問題の記述はわずか4時間で、情報の出典が小説だったことを理由に差し戻されている。その後、ツイッターでの話題を聞きつけて訪れたと思われるユーザーたちの間で編集合戦となり、最初の書き換えから8時間後には、編集をしばらくの間差し止める「保護」状態となっている(内容は当初のもの)。決してウィキペディアが、書き込みをそのまま許していたわけではない。

   なお、最初に書き換えを行ったユーザーはこの編集以外に活動履歴のないいわゆる「捨てアカウント」であり、正体は定かではない。編集合戦に加わっていたユーザーの中には、英語版のウィキペディアにも同趣旨の加筆を行う者もいたが、その英語はGoogleによる機械翻訳そのままの文章である。「高度な雇われチーム」の暗躍ではなさそうだ。

(3/3) 「エンゲル係数」ウィキペディア書き換え合戦 首相答弁直後に...官邸の陰謀説まで : J-CASTニュース

 

lite-ra.com

エンゲル係数」がにわかに話題になっている。1月31日の参院予算委員会で、民進党の小川敏夫議員から安倍政権下でのエンゲル係数上昇を追及された首相が、詭弁を弄する無茶苦茶な答弁をしたからだろう。

 小川議員は「生活の豊かさを示すエンゲル係数は顕著に上がっているという状況」「国が行った統計調査で、はっきり生活は悪くなっているということが出ている」などと指摘した。ところが安倍首相は、またぞろ聞かれてもいないのに有効求人倍率やベースアップなどをアピールしはじめ、エンゲル係数の上昇については「これは物価変動のほか、食生活や生活スタイルの変化が含まれているものと思います」と煙に巻いたのだった。

 言うまでもなく、エンゲル係数は家計の消費支出総額中に占める食料費の割合のことで、一般に高ければ高いほど生活水準の低さ(生活の苦しさ)を表している。この数値が、第二次安倍政権のもとで急上昇しているというのは事実だ。総務省が公表している家計調査によると、2005年に22.9%(2人以上世帯)の最低を記録してからは長らく23パーセント台となっていた。ところが、アベノミクスが始動した2013年から急激な右肩上がり。2016年には25.8%を記録した。これは実に約30年前と同じ水準である。

 しかし、その事実を指摘された安倍首相は、「生活スタイルの変化」などと言って誤魔化しにかかったわけだ。いやはや、戦後直後や高度経済成長期と比較するならまだしも、23パーセント台だった2006年から2012年までと、24パーセントから26パーセント弱まで急上昇した2013年以降では、人々の生活はそう大きく変わらない。安倍首相の“見たくないものは見ない”性質をモロに表している言い訳だが、これに対し小川議員はこう追撃した。

エンゲル係数アベノミクスが始まってから上がっている。これはやはり、政府が、生活が豊かになった、景気良くなったよと言いながら、国民が豊かになった実感をもたない、という声を聞きますが、まさにその声が裏付けられているわけじゃありませんか、国の調査によって。国民の生活が苦しくなってるんです」
「中略」

すべてが安倍政権に都合よく書き換えられる? まるで小説『1984

 

 Wikipediaエンゲル係数の項目を、“重要度が下がっている”“高いほど生活水準が低いとは言えない”などと改変したユーザーは、いずれも他の編集履歴が確認できず、誰がどのような意図で編集したかは不明である。しかし、エンゲル係数上昇の問題が国会で取り上げられた直後というタイミングや、自民党がネットを常時監視し、工作別働隊であるJ-NSC(通称ネトサポ)を組織していることを考えると、これは偶然なのかとの疑念が頭をもたげてくる。

 この状況を見ながらふと思い起こしたのは、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』だ。言わずと知れた、全体主義的社会を描いた名作SFである。主人公のウィンストン・スミスは、「ビッグ・ブラザー」が率いる一党独裁政権下のイギリスで「真理省」に勤務し、歴史改竄の仕事をしている。人々は「テレスクリーン」という装置によって監視されている。物語の序盤、主人公が「タイムズ」紙の記事を改変する場面がこのように描かれる。

〈ウィンストンはテレスクリーンの“バックナンバー”をダイヤルし、《タイムズ》の該当号を請求した。するとそれは数分のうちに気送管から流れ出てくる。彼の受けたメッセージは新聞の論説か記事に関わるもので、それが何らかの理由で改変、いや公式の言い方では修正、する必要があると見做されたのだった。〉
〈つい先頃、この二月に潤沢省は一九八四年にはチョコレートの配給は減らさないという約束(“定言的公約”というのが公式用語だった)を公表した。ところが現実には、ウィンストンも知っているように、チョコレートの配給は今週末に三十グラムから二十グラムへと減らされることになった。したがって、元々の約束を、四月のどこかの時点で配給量の削減が必要になるだろうという警告に置き換えさえすればいいのだった。〉(2009年の早川書房高橋和久訳版『一九八四年』)

 テレスクリーンからは党のプロパガンダが垂れ流される。繰り返される「われらの幸福な新生活」という言葉。潤沢省は「我々は生産性向上のための戦いに勝利しました! 全種類の消費財の生産高に関する最終報告書によれば、生活水準が昨年に比べ少なくとも二十パーセント上昇したのです」と発表する。ウィンストンはテレスクリーンから流れてくる政府の発表を聞きながら、こう思う。

〈チョコレートの配給を週二十グラムに増量してくれたというので〈ビッグ・ブラザー〉に感謝するデモすらあったらしい。だが、つい昨日──彼は思った──配給が週二十グラムに減るという発表があったばかりではないか。あれから二十四時間しか経っていないというのに、誰もがそんなことを鵜呑みにできるものだろうか? できる、みんな鵜呑みにしたのだ!〉

「#くいもんみんな小さくなってませんか日本」は事実だった

 

1984』のような極端な状況にはなるはずがないと笑う人もいるだろうが、はたしてそうか。事実、安倍政権はアベノミクスで国民の生活がよくなったと繰り返し、都合のよい数字だけを並べ立てることで国民の実感のほうが間違いだと印象付けようとしている。そして、テレスクリーンの代わりに人々はインターネットを毎日利用していて、自由で民主的な装置だと錯覚しながら、得られる情報を鵜呑みにしているではないか。

 さらに、『1984』を想起させられるのが、値段は変わらないのに、いつのまにか食料品の容量が少なくなっている、という問題だ。

 これは「スモールチェンジ」と呼ばれ、例の「#くいもんみんな小さくなってませんか日本」というハッシュタグが指摘したが、まぎれもない事実である。パックの牛乳、チーズ、ソーセージ、ミートソース、ジャム、果てはスーパーのおにぎりまで、実例を挙げればきりがない。ほかにも、茶色の包みでおなじみの板チョコ「明治ミルクチョコレート」は2014年に5グラムの減量をした。パッケージはそのまま、少しだけサイズダウンしていたのだ。一見しただけでは気がつかない。

「#くいもんみんな小さくなってませんか」を特集したNHKクローズアップ現代+』(1月18日放送)では、その理由として原料調達コストの高騰が挙げられた。実態を調査した渡辺努・東京大学大学院教授によれば、2008年に海外の穀物や原材料が上がったため、スモールチェンジが大量に発生したという。その後、スモールチェンジの動きはおさまったかに思えたが、2013年から3年連続でまた増えていた。

 渡辺教授は、アベノミクスのスタートと日銀による異次元金緩和の影響を指摘する。これらが円安をもたらしたことで原価が上昇。結果、“いつのまにか食べ物が小さくなっていた”というわけである。メーカー側が原価上昇分を値上げしようと思っても、冷え込む消費者心理から上げられないのだろう。背景にはやはり、アベノミクスの宣伝と生活の実感とを乖離させている安倍政権の経済政策があると考えざるを得ない。

 安倍政権下でのエンゲル係数の上昇、Wikipediaの改変、オーウェルの『一九八四年』、そして食品のスモールチェンジは根の部分で繋がっているように思える。人々の生活は苦しくなっている。政府は景気回復を宣伝し続ける一方、不都合な事実は徹底して退ける。「誰か」が安倍政権は悪くないと言いふらす。チョコレートは少しずつだが確実に小さくなっている──。

 さすがに、自分の「実感」までは捻じ曲げられないだろうと思うかもしれない。だが、たとえば安倍政権がしきりに持ち出す有効求人倍率にしても、メディアで就職がうまくいった学生のみがコメントばかりが使われることで、さも「景気回復」の象徴かのごとく刷り込まれているのが現実だ。このままでは、私たちの「実感」までもがいつのまにか塗り替えられかねない。少なくとも、政府の言葉はすべて宣伝であるということを意識しなおすべきだ。

「#くいもんみんな小さくなってませんか日本」は事実だった|LITERA/リテラ

 

Jcastもリテラもほぼ真剣に取り上げてるエンゲル。リテラは1984年も取り上げてる!陰謀論も含めて。だが確かに「政府の言葉はすべて宣伝兼偽情報」っていえるかもしれないな。