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辻野 晃一郎版安倍政権に疑念論

gendai.ismedia.jp

この国の「政治の劣化」はどこまで進むのか? 一連の政治スキャンダル、最新の世論調査、戦争ビジネス解禁、安保法制の強行採決……元Google日本法人代表を務めたことがある実業家・辻野晃一郎さんが当初期待を持っていた安倍政権に対して疑念を抱くようになるまでを綴る。

一向に進まない政治スキャンダルの真相究明

早いもので2018年も2月に入った。今年は、改憲の発議なども想定され、この国の将来を決める上で極めて重要な年になりそうだ。

しかしながら、今国会の様子をみていても、現政権下で進む政治の劣化には目を覆うばかりだ。

森友学園問題、加計学園問題、元TBS記者の逮捕揉み消し問題、スーパーコンピューター開発企業による国の助成金不正受給問題、リニア新幹線汚職疑惑など、次々と噴出するスキャンダルは、すべて安倍晋三総理自身、あるいは政権の関与が疑われる内容だ。

しかし、野党も検察もメディアもまともに機能しておらず、どれもぐずぐずと燻り続けるばかりで真相究明にはほど遠い。

菅義偉官房長官は口癖のように「我が国は法治国家ですから」と言うが、とても民主的な法治国家とは思えないような露骨な隠蔽や虚偽答弁が延々と続く。

権力を盾に国家のトップが平然とルール違反を繰り返す光景は傲慢以外の何物でもないし国民を愚弄する行為だ。

最も恐ろしいのは、「魚は頭から腐る」といわれる通り、モラルハザードが国全体に蔓延していくことだ。

このような状況を憂えて、福田康夫元首相も苦言を呈している。

昨夏、共同通信のインタビューに応じた際には、安倍政権下の「政」と「官」の関係を批判。「各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸を見て仕事をしている。恥ずかしく、国家の破滅に近づいている」「政治家が(官僚の)人事をやってはいけない。安倍内閣最大の失敗だ」とする同氏の指摘は重い。

〔PHOTO〕gettyimages

政権批判と不寛容さを増す社会

私は、もともとは自民党支持者だ。

正確に言うと、今のところ政権運営能力を保持した政党は自民党しかないことを渋々ながらも認めている立場だ。

2009年から3年余の間、旧民主党が政権を担った時期にそのことを痛感した。

また、思想的には特に右でもなければ左でもない。ましてや反権力でもない。権力者が権力を公正に行使してくれるのなら結構だ。

実際、第二次安倍政権が発足した当初は大いに期待したものだ。しかしながら、次第に、この政権は日本の将来を極めて危ういものにするのではないかと感じるようになった。「中略」

経済至上主義という根底にある問題

産業革命以降、世界の経済は大量消費を前提とした大量生産のビジネスモデルを根底に発展してきた。

2度の世界大戦を含む20世紀は、日本だけではなく、世界がまさに「物欲」や「支配欲」をベースにした資本主義で大きく経済発展を遂げた世紀であった。

そして、戦後の高度成長期は金融資本主義に移行してマネーゲームの世界が生まれた。

マネーゲームの世界はリーマンショックによって一旦破綻したが、その後は、インターネットや人工知能などの技術革新によって、「フィンテック」というテクノロジー主導のマネーゲームに姿を変えた。

日本ではコインチェックの事件が起きたばかりだが、仮想通貨フィーバーもその延長線上にある。

そもそも、行政が歪む根底にある問題とは何であろうか。前述の一連の政治スキャンダルはそのほとんどが利権や金銭に絡んでいる。

別に今に始まったことではないが、結局、政治が利益誘導の道具として利用される構図になっていることが本質的な問題だろう。田中角栄時代のロッキード事件以前から今日に至るまで、政治の本質は何も変わっていないということだ。

安倍政権が高い支持率を得てきた一番の拠り所も、実態はどうあれ、表向きの経済が好調な状態が続いているからだ。

世の中の根底に経済至上主義がある限り、権力者を利用して利益誘導しようという人たちが消えることはなく、政治が歪む根本要因となり続けている。戦争ビジネスはその最たるものだ。

〔PHOTO〕iStock

「欲」の支配からの脱却

資本主義や経済至上主義が行きつくところまで行った結果、富の格差は広がる一方だ。

一説ではビル・ゲイツジェフ・ベゾスなど、世界の8人の富豪が、世界の下位50%の人と同じ富を持つといわれる。また、米国に限ると、上位0.1%の人が下位90%の人と同等の富を持つとされる。

行き過ぎた格差社会の是正はまさに政治の役割だが、一方で、経済至上主義や利権に支配された政治が現代の格差社会を生み出したともいえる。

インターネットが普及した現代社会は「Wisdom of crowds(群衆の叡智)」の時代だ。今や、技術革新によって、一個人の発言や行動の影響力は飛躍的に高まった。政治の暴走や歪みを食い止めるのは、良識ある個人個人の叡智や行動でしかない。

政治の劣化について突き詰めて行くと、結局のところ人間の「欲」というテーマに行き当たる。

現代社会では、かつて大切にされた教えも忘れ去られてしまっているが、たとえば、孔子の教えを体系化した「論語」では、全人格的な成長を遂げた個人としての「君子」の在り方を描き、「徳」の大切さについて説く。

世の中の秩序を形成して維持し発展させてきた人類は、今こそ、欲に支配された古い秩序から抜け出さねばならないのではないか。

それができない限り、毎度同じような政治スキャンダルが繰り返され、戦前の軍産複合体や戦争ビジネスが復活し、歴史は繰り返す、という結論になりかねない。

今年は、政治家だけでなく、将来に対する我々一人ひとりの自覚と責務が問われる年になる。

自民党支持者の私が安倍政権に抱いた「大きな疑念」(辻野 晃一郎) | 現代ビジネス | 講談社(4/4)

 

或る意味道徳観ありきのコラムだな!いいとこついてるけど