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スリーパー問題

2018.02.18(日)

スリーパーセル」論争の結末

 

三浦瑠麗のスリーパーセル妄想発言によって、ネット内で議論が白熱している。
おそらく来月のエセ保守論壇誌は、破壊工作員が潜伏しているという記事を量産するのではないか?
その方がネトウヨにはウケるから商売になる。 

せっかくわしが評価した古谷ツネヒラは、三浦瑠麗は在日差別発言をしていないから、工作員の議論と在日差別を結び付けるなと、馬鹿なことを言い出した。
これだから、やっぱり古谷って、バランスが悪い。 

「一般市民を装って潜伏している工作員やテロリスト」とテレビで吹聴すれば、在日コリアンに対する「恐れ」「偏見」を持たざるを得ず、在日差別を助長するのは当然ではないか!

東浩紀氏が「テレビの地上波でそんなこと不用意に言ったらヘイトの口実に使われるに決まってる」と断じ、「諸悪の根源はそもそも『なんでもかんでも韓国朝鮮人を難癖つけて叩こうとする腐った日本人』どもなんですよ」とツイートしたという。
東浩紀は三浦瑠麗に篭絡されたのだろうと思っていたので、この意見には安心した。
ちゃんと「常識」を保っていた。 

かつてテレビで青山繁晴はこう言った。
北朝鮮工作員が2万人いる。彼等が無差別テロをやる可能性がある。毒ガスは拡散するからその場にいなければ大丈夫だが、天然痘ウイルスをまかれたら、飛沫感染し、日本では天然痘患者を診ている医師は少ないので余計に厄介。急な発熱、頭痛の後、顔や頭に発疹し全身に広がると要注意。」

もうムチャクチャだろう。
青山繁晴はこういうデマをまき散らしてきたのに、炎上せず、国会議員になってるのだから日本人のリテラシーのレベルは相当に低い。

だが、こういう意見が平然とエセ保守論壇村には浸透しているのだ。
だが、その噂話は、テレビという公共性の高い場で安易に公表していいものではない。
青山の発言を聞いたネトウヨはこう応じている。
「厄介なことに朝鮮人は日本人と識別が困難なのです。白人や黒人なら、見分けがつきますが、工作員が警官自衛官の制服を着て、破壊活動を行うこともありえます。」
こんな始末なのだ。 

「ブロゴス」で高英起氏がスリーパーセル論争に隠された虚しい現実」という文章を書いているが、これが一番、信ぴょう性のある分析だ。
ようするにテロ活動を行うために日本に工作員を潜伏させておく資金力が、もう北朝鮮にはないというのだ。
高氏は明確に断言する。「そんなものはいない」と。
この議論を聞いていると「虚しい」と言っている。 

国際政治学者と言っても、デマを堂々とテレビで言ってしまうほど、バランス感覚が狂っている。
だからわしは、三浦瑠麗は「未熟」だとブログで指摘しておいたはずだ。
ちゃんとわしの忠告を聞かないから、こういう始末になる。残念なやつだよ、まったく。

「スリーパーセル」論争の結末

 

で、これが高英起氏のスリーパーセル論争に隠された虚しい現実」の記事

 

blogos.com

news.yahoo.co.jp

ここ数日、「北朝鮮スリーパーセル」なるものが話題になっている。国際政治学者の三浦瑠麗氏が、2月11日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ)で存在を主張したもので、一般市民に偽装して日本社会に潜伏し、有事に際して活動を始めるテロリスト(あるいはテロ組織)のことだという。

これに対しては、すでに「根拠がない」「妄想だ」などの膨大な数の批判の声があり、さらにはその批判に対する批判もある。またそのような議論を超越して、「200人ぐらいいる」とする専門家の解説も出ている。

筆者の個人的な意見を言えば、「そんなものはいない」のひと言に尽きる。もちろん、何かが「存在しないこと」を証明するのは無理だから、客観的な証拠は提示できない。しかし長年の経験からして、北朝鮮にはもはや、そのような人材を運用する力はないと確信している。

優秀な工作員を養成するには、莫大なコストがかかる。高度なテロ活動を行う工作員なら、なおさらだ。また、高度なテロ活動にはそれなりの支援体制が必要であり、それはつまり資金力のことだ。北朝鮮の体制というのは、非合理で財政的に困窮し、そのうえ薄情なのが特徴だ。北朝鮮当局が海外の工作員に資金を供給していた例もあるが、「自分で調達しろ」と命じたり、逆に「上納金を出せ」と求めたりした事例もあった。そんなケチ臭い体制が、「スリーパーセル」などという洒落たものを維持できるはずはないのだ。

とはいえ、北朝鮮が日本でまったく工作活動をしていないかと言えば、そういうわけではない。しかしその主要な内容は、韓国のシンパ組織を支援するための連絡係だ。

(参考記事:韓国でつかまった北朝鮮スパイが「東京多摩地区」で会っていた人物とは!?

あるいは、日本政府に働きかけ、秘密の安保対話のためのラインをつなごうとしていた人物もいた。ただ、外事警察が「工作員である」と認定した本人の直撃インタビューを読むと、これを本当にスパイ事件として摘発する必要があったのか、むしろ日本の国益を損なっているのではないかとの懸念さえ覚える。

(参考記事:直撃肉声レポート…北朝鮮「工作員」関西弁でかく語りき

ちなみに日本の警察は近年、北朝鮮による対韓国工作などの活動を摘発するのにもあまり熱心ではなかった。北朝鮮に対する経済制裁が強まるにつれ、ちょっとした日用品の不正輸出も、公安事件として扱えるようになった。実態の見えにくい工作活動を追うより、不正輸出の方が簡単に見つけられる。そっちで点数稼ぎをしてお茶をにごしている間に、本物のスパイを追うスキルが鈍ってしまったとも言われる。

(参考記事:【対北情報戦の内幕】総連捜査の深層…警察はなぜ公安調査庁に負けたのか

それでも、「スリーパーセル」のようなものが本当に存在するなら、壁紙とか冷凍食品とかの不正輸出の摘発に、貴重な人員を振り向ける余裕はなかっただろう。追うネタが乏しいから、事件化できそうなネタはなんでも挙げなければならないのだと推察することもできる。

ハッキリ言って、現在の日本における対北防諜(カウンター・インテリジェンス)の現場というのは、なんだか気の抜けたような雰囲気になっているのだ。中国などの技術力の向上を受けて、北朝鮮は昔ほどには、戦略物資の調達を日本に依存しなくなっていると思われる。

また拉致問題に加え、北朝鮮国内の人権侵害が国際的イシューとなったことで、日朝国交正常化で巨大な経済支援を受けるという北朝鮮の「野望」も、事実上、ついえてしまった。いまの北朝鮮には、外交官であれ工作員であれ、優秀な人材を日本に振り向けようという動機が、基本的にはないのだ。

そのような現実が、主要メディアで語られることはほとんど、いや、まったくないと言っていいだろう。それこそが、「スリーパーセル」を巡る議論が熱を帯びる素地となっているのだろうが、そのような様を見るにつけ、妙にむなしい気分になってしまうのは、筆者だけだろうか。

※デイリーNKジャパンからの転載

 

奴の言うことが本当なら安心できるが…