共謀罪では、実行されたかどうかにかかわらず、テロ組織や犯罪組織が行うであろう犯罪に加担した場合に、罰則が科せられます。本来、共謀罪はテロや犯罪組織を取り締まるための法律です。しかし、テロ組織とかかわりがなくても、一般人が該当する行為に及んだ場合は、適用される可能性があります。
そのため生活へ支障をきたすことを懸念する声もあります。
参考:「「共謀罪」の対象犯罪277 :日本経済新聞」「中略」
共謀罪を悪用した密告が増える
共謀罪は、どこからどこまでが犯罪行為に該当するのか線引きが難しく、幅広く解釈できるため、『競争相手の企業の関係者を陥れるための通報』、『嫌いな本を出版する企業へ圧力をかけるための通報』など、共謀罪を悪用した密告が増えることも懸念されています。
参考:「共謀罪法案、国会論戦で進まない対象犯罪の精査|NewsWeek」「中略」
日本における共謀罪の罰則の内容
組織的犯罪処罰法第6条の2によると、日本では以下の項目に該当する場合、共謀罪が適用されます。
- 『別表第4』に該当する犯罪行為を計画した場合
- 犯罪組織、テロ集団の利益になることを計画した場合
- 『別表第4』に該当する犯罪の計画者へ資金または物品を手配した場合
- 『別表第4』に該当する犯罪の計画を実施するために必要な関係場所を下見した場合
- そのほかの『別表第4』に該当する犯罪行為の準備行為に加担した場合
※別表第4とは:組織的犯罪処罰法第6条第2項に該当する犯罪行為をまとめた表のこと
罰則の内容は、主となる犯罪行為に科される罰則の重さによって異なります。
主犯罪へ科される罰則の内容 |
適用される罰則の内容 |
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5年以下の懲役または禁錮刑 |
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2年以下の懲役または禁錮刑 |
参照:「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律 第6条の2」
では、例を元にどのような罰則が科せられるのかを確認しましょう。
例①:児童ポルノの普及の準備をした場合
児童ポルノの普及へ科せられる罰則は、『5年以下の懲役、500万円以下の罰金、またはその両方』です。児童ポルノの普及の準備や計画をした場合、『2年以下の懲役または禁錮刑』が科せられる可能性があります。
例②:著作権侵害の準備をした場合
著作権を侵害すると『10年以下の懲役、1,000万円以下の罰金、またはその両方』が科せられます。著作権侵害の準備を行った場合、同じく『2年以下の懲役または禁錮刑』が科せられる可能性があります。
まとめ
本記事で紹介したとおり、共謀罪が適用される範囲は曖昧といわれています。そのため、もしかしたら日常的に行っている行為が共謀罪に該当するかもしれません。どこからどこまでが共謀罪に該当するのか判断が難しいため、心配な方は弁護士へ相談してみましょう。
【図解付】共謀罪をわかりやすく解説|適用への反対意見と主な罰則|刑事事件弁護士ナビ
結論。共謀罪は廃止だ!廃止!!