牙を剥く中国、「海警法」のとんでもない中身 いよいよ東シナ海、尖閣で実力行使か(1/4) | JBpress(Japan Business Press)
日本の大手メディアでも大きく報道され注目を集めている中国の「海警法」が全人代(全国人民代表大会)常務委員会で可決され、2月1日から施行される。
この法律は、昨年(2020年)6月に可決した武警法改正と、これから審議される海上交通安全法改正案とセットとなって、おそらく日本の尖閣諸島を含む東シナ海情勢や、南シナ海情勢に絡む米国との関係に大きな影響を与えていくことになろう。この一連の法改正は、中国と海上の島嶼の領有権を巡り対立している諸外国にとって大きな脅威となることは間違いない。
「海警法」成立の最大の意義は、中国海上警察が戦時に「中国第2海軍」としての行動に法的根拠を与えられるということだろう。「中略」
そしてその背景にあるのは、習近平政権として、東シナ海、南シナ海における島嶼の主権をめぐる紛争に対してより積極的なアクションを考えている、ということではないだろうか。 2018年からすでに中国人民武装警察部隊海警総隊司令員(中国海警局長)が、人民解放軍海軍出身で、かつて東海艦隊副参謀長を務めた軍人であることは、海警が準軍隊扱いであり、その目標が東シナ海、台湾海峡にあるということを示していた。
以上の条文を続けて読むと、例えば尖閣諸島周辺で日本人が漁業を行ったり海洋調査を行うには、中国当局の承認と監視が必要で、承認を得ずに漁業や海洋調査を行って海警船に捕まった場合、罰金を支払う、あるいは書面で罪を認めれば、連行されて中国の司法機関で逮捕、起訴されることはないが、日本人が「尖閣諸島は中国の領土である」と認めた証拠は積み上がる、ことになる。
牙を剥く中国、「海警法」のとんでもない中身 いよいよ東シナ海、尖閣で実力行使か(4/4) | JBpress(Japan Business Press)
「中略」そうしたトラブルを避けるために、日本側の船がますます尖閣から遠のき、中国の漁船や海警船の侵入を許すことになる。 民間の船だけではない。海上保安庁や海上自衛隊も、武器使用を辞さない海警局船を目の前にして、海域を離脱せずに対峙することが、法的、実力的にできるのだろうか。
この数年、中国海警船が尖閣諸島周辺に出没して領海侵入することが常態化しているが、それに対して日本はほとんど効果的な対応をしてこなかった。このまままごまごしていたら、いつの間にか、その海域は「中国管轄海域」であると既成事実化してしまうであろう。
米国のバイデン新政権がトランプ政権よりも対中強硬派である可能性はないとは言えないが、少なくともバイデン政権の対アジアチームは、オバマ外交の失策を象徴する「戦略的忍耐」という言葉を繰り返している。
そもそもオバマ政権時代の「戦略的忍耐」によって、中国が南シナ海の岩礁島を軍事拠点化するスキを与えてしまったのだ。それを繰り返すというならば、習近平政権が次に狙うのは、東シナ海の実効支配強化ではないだろうか。
一応、バイデン政権は菅政権に対し、尖閣諸島の安全保障が日米安保第5条の適用範囲であるという言質を与えているが、それを本気で頼りにしていいのかどうかも今一度日本は考えなおさねばならない。
すぐさま軍事衝突が起きる、紛争が起きる、と危機感をあおるつもりは毛頭ない。だが、2021年は中国共産党建党100周年であり、2022年は習近平政権2期目の最終年で、習近平が長期独裁政権を狙っているのなら、この年までに解放軍の完全掌握と人民の求心力を固め、習近平独裁の正統性をアピールしなければならない。
「銃口から生まれた政権」に、“失った領土”を奪還する以上に国家指導者の正統性をアピールする方法はない、と考えると、日本が楽観的に構えたり油断したりしている状況ではまったくない、ということだけは言っておきたい。
結論。中国とは国交断絶、最悪戦争も辞さない選択をするしかない!